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月の高地の地殻形成に関する新たな知見 2
Updated : 2009.09.10
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この鳥瞰図は、前頁で大きな青い四角でみられるところの一例で、ジャクソンクレータの中央丘付近です。右側のカラー画像で青く見えるのが純度の高い斜長岩で、斜面の傾きが大きなところにだけ純度の高い斜長岩が露出しているのがわかります。

(中央丘のできかたについてはこちら

アポロによる月の一部分での調査の結果から、従来アポロでは典型的な高地の地殻の試料(サンプル)だと考えられてきた石がこちらです。このサンプルに含まれる斜長石は約90%なので、今回MIで広く分布していることが見つかった純度の高い斜長岩よりは斜長石の量が少ない試料です。従来、月の高地の地殻はこのアポロサンプルのような斜長石90%とそれ以外の鉱物10%からなる斜長岩からできていると推定されていました。その場合、月にあったとされるマグマオーシャンから斜長石が結晶化するときに、斜長石だけでなく輝石及びかんらん石もともに結晶化したと考えられていました。しかし、今回得られた知見により、ほぼ1種類の斜長石だけから地殻物質を形成するために、斜長石だけを効率的・選択的に集める月の高地の地殻生成メカニズムを構築しなければならないことがわかりました。

純度の高い斜長岩から成る地殻を生成するメカニズムとしては、マグマオーシャンから斜長石が結晶化するときに結晶と結晶の間に取り残されたマグマが、下から浮揚する他の斜長石結晶により押しだされて結晶粒子の間を抜け出るのではないかと考えていますが、他にも地球上で純粋な斜長岩が作られるのと同じような変形作用による可能性もあります。

なお、アポロ計画の中で持ち帰られた月の岩石サンプルの中に純度の低い斜長岩があるのは、このような岩石が月のごく表層の隕石衝突などによりかき混ぜられた混合層の試料だからか、もしくは地殻の中に部分的には少し純度の低い斜長岩があるためであると考えています。

当該のデータ処理はLISM/MI機器チームが実施しました。

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