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スペクトルプロファイラによる南極エイトケン盆地の観測
Updated : 2010.03.31
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  本内容は、2009年11月24日付けで米科学雑誌「Geophysical Research Letters」に掲載された論文「Ultramafic impact melt sheet beneath the South Pole-Aitken basin on the Moon」に関するものです。

  「かぐや」に搭載されたスペクトルプロファイラが世界で初めて南極エイトケン盆地(South Pole-Aitken basin: SPA)の連続スペクトル観測を行いました(上左図)。SPAは、月の形成初期に 200km 以上の天体の衝突によって形成された太陽系で最も大きな衝突構造のひとつです。この衝突で、表層にあった物質はかなりの深さまで掘削されました。実際、かぐやのレーザー高度計の観測によって、月で最も低い地点は SPA 内に存在することがわかっています。

(参考)
http://www.kaguya.jaxa.jp/ja/science/LALT/Lunar_Global_Shape_and_Polar_Topography_j.htm

  このため、SPA は月の深部に存在していた物質を調べるのに非常に適した場所です。
  SPA内の比較的大きなクレータ四箇所(上右図:アントニアディAntoniadi、バーバ Bhabha、フィンセン Finsen、ライマンLyman)について、スペクトルプロファイラにより得られたデータを解析すると、どのクレータも斜方輝石と呼ばれる鉱物の特徴を示すことがわかりました。これは、SPAの地下に均質な岩層が存在することを意味しています。SPAを形成した超巨大衝突は、月の地殻をふきとばし、その下にあるマントルを溶かすことで、1000km以上の広がりを持つ大規模な溶岩の海をつくったと推測されています。かぐやの発見した超苦鉄質岩層は、この溶岩の海の名残だと考えられます。

当該のデータ処理は、LISM/SP 機器チームが実施しました。

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