title

title

南極エイトケン盆地のマントル由来岩石に関する研究
Updated : 2012.03.29
Observation date :

  本内容は、2011年12月26日付けで米科学雑誌「Icarus」に掲載された論文「Olivine-rich exposures in the South Pole-Aitken Basin」に関するものです。

太陽系最大の衝突地形である南極エイトケン盆地(South Pole-Aitken basin: SPA)は、大きさ200km以上の巨大天体の衝突により形成されたと考えられています。そのような巨大衝突により、SPAの中心では月のマントル由来の岩石が露出していると考えられてきました。しかし、過去の探査ではマントル由来のカンラン石はSPAの内部ではなく、縁付近(シュレディンガー盆地とジーマンクレータ)でしか見つからず、大きな謎とされてきました(図1)。

  本研究ではSPA内のカンラン石が露出している場所について、SPとマルチバンドイメージャ(MI)による詳細解析を行いました。その結果、SPAを形成した衝突により大規模な「溶岩の海」が形成されSPA内部を覆いつくした可能性が高い事を突き止めました。そしてSPA中央の溶岩の海では、比較的重いカンラン石は深部に沈みましたが、SPA縁付近に広がった溶岩の海では厚さが薄かったため、その後の衝突によりカンラン石が表層に再び露出されたという事が分かりました。このように巨大天体衝突で何が起こるのかについて詳細な情報が得られたことにより、月だけでなく地球の過去で起こった天体衝突現象に対しても、重要な科学的知見が今後もたらされるであろうと期待されます。

解説文: 山本 聡 (国立環境研)

LISM/SP 機器チームが実施しました。

PAGE TOP

  • このページをご覧になるには Adobe(R) Flash Player(R) が必要です。